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VICアカデミー 「スプーンを曲げて捻じるー潜在能力のトレーニングー」

2023年 01月 19日

VICアカデミーとは、弊社理念にある「学習と成長」の実践の1つとして開催しているVIC社員及び関係者のための
勉強会です。

「スプーンを曲げて捻じるー潜在能力のトレーニングー」

講演者:株式会社バリューイノベーション チーフインストラクター 高木 均氏

高木均(Takagi Hitoshi)
1979年 大阪工業大学経営工学科 卒業
1979年 株式会社すかいらーく 入社
店舗運営・管理業務に従事
1990年 京セラ株式会社 入社
事業所にてQC活動の推進
本社・人材開発部門にて、経営理念の浸透活動及び
研修プログラムの企画・立案に従事、社内講師
2009年 株式会社バリューイノベーション チーフインストラクター

■稲盛和夫氏と京セラの教育
潜在能力のトレーニング研修は、京セラ株式会社の創業者・稲盛和夫氏が、開発などで困難なことにチャレンジする際に、頭で無理だと思ったら、それ以上のものにはならないが、潜在意識で「できる」というイメージを持つことで実現できるという話を社員にしていたのが始まりである。
しかし、潜在意識を伝える研修は感じることが大事だと伝えるセッションが多く、目に見える形で表現はできないため、
体験型の研修として、スプーンを曲げて受講者に実感してもらうようになった。とはいえ、少し論理を話さないと理解できない人もいるので、体で感じて体験するセッションと論理を説明するセッションを設けている。

■人間行動のメカニズム
下図の氷山に例えると、海面から上が顕在意識で、下が潜在意識である。一般的には顕在意識として使っているのが5%で、95%は潜在意識だと言われている。この潜在意識に色々な能力が隠されており、ここを使わないと行動は変わらない。どうしたら、その潜在意識に働きかけられるかという話である。




■潜在意識の4つの機能
1.生命維持と健康の源(自律神経系)
自分の体は自分の意志で動かせているのかというと、心臓、腸、胃などは勝手に動いて、心臓よ止まれと言っても止まらないし、動けと言っても動かない。ただ、ストレスを感じたりすると心臓の機能などはおかしくなり、自律神経系やホルモン、免疫系に影響が出てくる。
「火事の前にネズミがいなくなる」という話があるが、これはネズミに災いを予知する能力があるということである。
同様に、人間も実は毒物など体に良くないものを感知する能力があるとされている。本セミナーではそれを体感してもらう。
本も出版されており、医師の間でも使われているオーリングテストという方法がある。テストを受ける人が、手の親指と他の指で輪っかを作り、その輪を開かせまいと抵抗する。他者によってその輪を指で広げると、開かない場合と開く場合があり、開かない時は自分の体には異常がなく、大きく開く時は異常があることを示す。例えば、反対の手に煙草を持ち、テストをすると簡単にその輪は開いてしまう。本来は自分の体に合う薬、合わない薬を見極めるために行っていた。

2.智慧と創造性の源(無限の情報系)
ユング心理学の場合では、右図の氷山の下が開いていて、それが宇宙に繋がっているとされている。我々の物質は、全て素粒子からできていて、その素粒子は地球とか宇宙に存在しているので、そういった歴史の記憶が あるのではないかと言われている。例えば前世や過去生の話であり、ロマンの領域である。




3.対人関係の基本(集合無意識)
心理学をベースにした考え方で、臨床心理士やセラピストが、メンタル治療をする時に、クライアントが抱えてる潜在意識の情報を自分の中でイメージして統合していくことで、クライアントの潜在意識に対して影響を与える。例えば、「100匹目の猿」という話があり、ある猿山で1匹、2匹の猿が芋を洗い出し、それをまねた猿が100匹に達すると、その山と繋がりのない別の猿山の猿が、同じように芋を洗い出すという事象がある。これは我々の仕事でも同じで、お互いに以心伝心するし、職場の人間関係の中で、潜在意識も変わっていく。

4.願望の実現(成功哲学のメカニズム)
わかりやすい例でいえば、パブロフの犬の条件反射である。レモンをイメージすると、勝手につばが出るように、仕事の中でも成功イメージを自分の中で描くことで、 体がその潜在意識を感じ、イメージした行動に繋がる。
本セミナーでは、スプーン曲げで体感してもらう。スプーンは柔らかいとイメージをしたら捻じることができる。潜在能力に働きかけることで自分の持っている力をいつも以上に出すことができるようになる。別の言い方をすると、火事場のばか力である。スプーンを曲げることだけだと単純だが、日常の仕事に取り入れてほしい。真面目な人ほど変に力んでしまったり、リラックスをしようと思っても、逆に力が入りすぎてしまうことが多いが、無理だと思っていることにチャレンジして成功するイメージを持ってほしい。




■呼吸とイメージ
我々の体で1つだけ無意識で行っていて、意識的にも行えることがある。それは、呼吸である。自分で意識的に吸ったり止めたりできるが、日常生活では潜在意識に任せている。この呼吸のやり方によって、潜在意識と顕在意識の間にある海面の境界を緩めることができる。これが瞑想や催眠と呼ばれている。瞑想に入った状態を、変性意識状態と言い、例えば、
ゾーンに入ったとか、トランスポートしたと言われていることであり、ゴルフでラインが見えたり、野球で球が止まって見えたというのは、意識はしっかりあるが、自分の持ってる能力がフルに発揮されている状態のことである。
ヨガやお経を唱える時も、呼吸法で整えることは知られているが、変性意識状態になるための呼吸法の1つとして腹式呼吸がある。例えば6つ数える間に息を吸い、12数える間に息をはくと呼吸がゆっくりになる。さらに、軽く目を瞑った方が集中しやすい。この状態が静の瞑想で、メカニズムがわかったら、どんなイメージを頭に入れるかによって、自分の行動が変わる。例えば、スポーツ選手は自分が優勝した姿や、プロ選手となり憧れのプレーができている姿など、繰り返しイメージをしていく。特にフィギュアスケートの選手や陸上の選手が、自分の好きな音楽を聴き、動きながら変性意識状態に持っていき、自分の最大能力を出すためのイメージトレーニングをすることはよく知られている。
人間はイメージすることで、潜在意識に働きかけることができるようになり、それが行動に反映する。そのベースとなるものが呼吸で、瞑想状態でリラックスをする。ただ頭で考えるだけでは行動に繋がるほどのイメージができないため、瞑想状態が大切である。リラックスして自由な発想がしやすい環境を整えるために、最近のIT企業やクリエイティブな会社は、
オフィスもカラフルで、ソファーやクッションを置くなど工夫をしている。

■潜在意識から日々の行動を変える
潜在意識は色々な側面があるが、例えば、胸の前で両手を組んだ時に、左の親指が上になる人、右の親指が上になる人、様々だが、とっさに自分の組みやすい方法で組んでいる。これを逆に組むとすごく違和感がある。
日頃の仕事の仕方もこれと同じで、研修でいくら良いことを学んでも、職場に帰ったら自分のやり方に戻っている。指組みくらいであったら、10回くらい意識をしたら違和感はなくなるかもしれないが、日常の仕事のやり方や考え方はそう簡単にはいかない。ではどういう風に変えていけばよいのかというと、まずは構造を理解し、本日学んだ呼吸法やイメージを取り入れ、新しい行動を何度も繰り返すことが重要である。