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新着情報

VICアカデミー 「銀座とBARとバーテンダー」

2023年 10月 06日

VICアカデミーとは、弊社理念にある「学習と成長」の実践の1つとして開催しているVIC社員及び関係者のための
勉強会です。

「銀座とBARとバーテンダー」

講演者:株式会社ザ・ハミルトン 代表取締役社長 高橋 肇氏
実施日:2023年9月20日(水)

高橋肇
1976年生まれ、北海道登別市出身、ふたご座、AB型、19歳で上京
バーテンダーの修行を積み、22歳の時、銀座のバー「ハートマン」に就職
11年間勤務した後、独立

【略歴】
2010年2月 銀座7丁目にバー「THE HAMILTON」を開業
2014年5月 「カツ ザ HAMILTON」オープン
2017年4月 「THE HAMILTON 龍神」オープン
2020年11月 「カツ ザ HAMILTON」を移転し日比谷オクロジに「THE HAMILTON GS」オープン
2021年9月 「THE HAMILTON 別邸」オープン
2023年7月 「THE HAMILTON 銘店」オープン
現在、社員数18名、アルバイト7名、年商3億円の飲食店グループへ

■バーの歴史
起源は1800年代のアメリカで、西部劇の時代が始まりだと言われている。西部劇に出てくるサルーンと言われていた町の寄り合い所のような場所が原点で、そこでお酒を板のような台に乗せて提供したのが始まりである。そこに座る人が増えるにつれて、板がどんどん伸びていき、それがカウンターになり、現在のバーらしくなっていった。そのバーが流行ったのが、アメリカの禁酒法時代(1920年-1933年)、ウイスキーやウォッカやジンが禁止されたので、ジュースという名目で飲めるカクテルやリキュールが生まれ、お酒の種類が増えていった。日本では1860年頃、外国人居住者向けに横浜のホテルに開業されたのが第一号と言われている。

■バーテンダーになったきっかけ
ある時、先輩がやっているバーへ行き、バーテンダーという仕事はかっこいいなと感じた。先輩のお店でバイトをさせてもらい、その後上京し、渋谷のバーテンダースクールへ入学する。卒業後は銀座のバー「ハートマン」に就職した。ここでは11年勤務させてもらい、新店舗2店舗の立ち上げに携わらせていただいた。ハートマンの社長から、バーの経営のノウハウを教えていただき、現在でも頭が上がらない存在である。

■銀座でBARを開業
2010年2月、銀座7丁目に「Bar THE HAMILTON」を開業した。お客さんの割合は男性が7割で女性は3割。紹介でくるお客さんが100%だ。銀座でバーを運営するにあたって秘訣を紹介する。1つ目は、新聞やインターネットなどを活用した知識の吸収だ。経営者のお客さんも多い中、話題つくりは重要で、株や雑学、時事ネタを豊富に持っていないとお客さんと対等に話せない。2つ目は「7:3」の法則だ。これは、お客さんに7割話してもらい、3割返すという法則が、バーでの会話ではちょうどよい。バーテンダーが全く話さないバーもあるが、3割返すことで会話が広がり、お客さんとの程よい距離が保てる。3つ目は「新しいお客様には常連のように、常連のお客様には新鮮な気持ちで接する」ことだ。新しいお客様を常連のように接するのは、なかなか難しいことだが、お客様の緊張をほぐすことが重要だ。また、常連のお客様とはお酒が入っているから仲良くなりやすいが、常に新鮮な気持ちを持ってもらうためにも初めて会った時の気持ちを忘れずに接することを従業員にも伝えている。4つ目は「お迎えは丁寧に。お見送りはもっと丁寧に」ということだ。お見送りは一番印象に残るため、エレベーター前まで送る、またはタクシーに乗るまでお見送りすることを従業員たちにも徹底してもらっている。

■最大の危機
オープン初日、手持ちのお金は7万円というところからスタートをした。前に勤めていた社長に電話をして、相談をしたら「2週間絶えれば3か月は持つ」といわれ、その言葉だけを頼りに頑張ってきた。おかげで、3か月後には黒字になり、順調にスタートを切れたと安堵したが、翌年の2011年3月11日におきた東日本大震災で、危機が訪れる。店内のボトル500本中497本が破損し片づけに追われた。また、お酒の購入をしないと商売にならないため、貯金を使い果たし再起を図るも、銀座一帯が節電のため、自粛モードとなり、お客さんもほとんど来ない。従業員に給料を支払いながらも、自身は無給で働いていた。震災後半年がたったころから少しずつお客さんも戻ってきて、うまく回り始めた。

■経営危機から学んだ教訓
震災が落ち着いて2年後くらいに2店目を出店した。お店は軌道に乗り始めたにもかかわらず、アルバイトと社員を含めて50名くらい辞めていくことが続いた。これは異常事態だと感じ、原因を探った結果、無理な出店を実行して、自分に余裕がなく、目標値だけにこだわり続けた結果だということを感じた。バーのお客さんはバーテンダーという人柄を求めて来るため、従業員が安定しないと同時に売り上げも下がってくる。経営者として、自分のやり方を抜本的に変えていかなければと思い、人材にお金をかけて、社員教育をしっかりとしていくやり方に改善した。その結果、従業員定着率が向上し、固定ファンが増え、コロナを乗り切ることに成功する。改めて、Bar経営は人材が鍵だということを学んだ。

■BAR経営の3つのポイント
1つ目は、各店の店長に権限を与えて、信用することが大切である。現金商売だから、売り上げ管理などもすべて店長に任す。今まで、大きい事故は起きなかったが、何か起きたときは店舗で連帯責任にして、その店舗のスタッフ全員で足りない金額を割るなどをしたら、小さいミスもなくなった。2つ目は、時間のないときは30分でもいいから、お店の開店前に必ず全員集めてミーティングをすることが重要である。内容は前日にどのお客様が来店して、どのような会話をされていたのか、お客様との会話のフィードバック、お客様へのお酒のオーダーを取るタイミングやおかわりのタイミング、必ずその日の反省点などをフィードバックし、情報共有をしている。3つ目は、お客様を若い従業員に紹介するなどして、良好な関係つくりを意識している。新しく入ってきたスタッフには即、名刺を作り、常連のお客様へ積極的に名刺交換をしてもらっている。そうすることでお客様にとって来やすい環境作り、幅を広げることにつながる。
管理の面においては、セールスフォースのアプリを6年ほど使っている。顧客管理や売り上げ管理など、すべてのデータを吸い上げてくれていて、非常に助かっている。例えば、お客様のお誕生日管理は非常に役立っていて、お客様も喜んでくれている。 また、バー業界は世の中の景気がいいときは、バーの売上も伸びていくが、バーの売上が下がった時の原因も明確にわかることが便利である。例えば、お客様の組数が少ない、お客様の飲み方で単価が低くなっているなどの情報が読み取れる。

■今後の展開
・人形町への出店は1つのチャレンジ!
・東京以外の首都圏や地元北海道への出店!
・いずれは海外で店も視野に!